文学青年保存館

2023 7.25 ブログの更新を停止しました

最果てのバベル プレイ所感 ~CHAPTER2

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※当然だがネタバレ有り 尚はてなブログの引用ボタンが機能しないため引用部分はアンダーラインにて示す


 ダウンロード中にプロローグを文字で出すのやめてくれ。
 それは断じて物語ではない。描写ではなく説明であり、体験ではない。
 音楽は良いね😄
 いい具合に壮大だが、果たして分相応の物語が紡がれるのかどうか。

ここは鋼鉄の街バベル。
森に囲まれた塔の中で
大勢の市民が暮らしていました。

 いきなりナレーションが文字のみで説明を始める。ま、まぁ許そう。これくらいはね?

議会が決めた法の下
市民は適正に応じて働き
バトラーたちが治安を守ります

 いやちょっと待て。

窮屈な日々かもしれません。
でも、他の生き方を誰も知りませんから
不満はありませんでした。

 ストップ。それをエピソードにしてくれ。

ただひとり、ライという名の少年を除いて。

 なるほどね、ここまででディストピアSFの世界ということが分かった。
 分かっただけで解ってはいないのだが……。

精霊に取り憑かれやすい体質だから……
自分を、他人を傷つけてしまうから……
そんな理由で少年はこの部屋に
閉じ込められていたのです。
塔記1119年の、この日まで。

 全部喋りやがった……( ゚д゚;)

・急に友達が現れて戦闘をすることになる
 戦闘……? チュートリアルで必要にしても無理やり挿入した感がすごい。
 その友達がバトルの説明をしてすぐ帰ったからだ。でもディストピア由来の違和感を醸し出せているのは良い。

・操作性が悪い
 狭い通路のマップはスワイプ移動だと何度も来た道に戻ってしまう。

・急にボソンジャンプ体質ということが判明
・ヒロインと仮の契約を結ぶ
 うーん……簡素だなー 悪くないけどSDキャラだと説得力が……
 アニメならヒロインがお婆ちゃんを治療するシーンだけでかなり絵として映えたと思うんだけど

・主人公のミス どこかにワープし、敵を居住地に引き入れてしまう
・ムービーが流れ、バベルがとんでもない被害を受けていることが示唆される
・大男が救援にきて、一緒に敵を撃破する
 何が足りないんだろうこの辺。
 描写……はあるにはある。俺の補完能力が足りないのか?
 急にボソンジャンプを認められ、今後は街のために使えと言われる
 →文句より先に嬉しいと思う主人公
 ここは素晴らしい場面。主人公らしさのアピールポイント。でも感動が足りない。
 台詞がまるでないので、主人公の嬉しさが伝わってこない。ムービーはここに入れるべきでは?
 ジャンプ漫画みたいに、傍に反応役のヒロインを置いて、
「あんた、よく分からないわね」とか言わせるだけでかなり良くなると思う。
「そうか? でも俺なんにも知らないしな!」とか、会話を増やすだけで人間味が増す

・街の人に嫌われる反応が足りない
 ここは主人公の破滅……というよりは非日常への入り口のはず。
 とんでもない失敗をして主人公は人を傷つけた。それが本意ではなくとも
 その代償を課すべきところだ。
 少なくとも主人公は思い悩むべきである。自分がしたことの責任について。

・で、戦闘用の装備を渡されたわけだが……え、主人公、分かってるの?
 お前に戦う理由があるの? 誰かに言われたから戦うの? 殺すの? 人を?

・絆の説明 連帯責任を負うグループに加入することを「絆に加わる」と表現するらしい
 なるほどディストピア +20点

・ 友達がきてなんか歓迎ムード
 あの、街の被害は……? あんな大仰なムービー入ったのに大丈夫だったの?
 そして友達ふたりの反応が歪んでいる。ここは加点ポイント
 女友達“役”の「また友達しよう?」はかなりトんでてよろしい

・おおおおおキタキタ 被害の説明
 謎の口止めにより責任を問わない。なるほど。それで主人公の反応は――
 え……? 「オレのせいだ……」で終わり?
 補完しろってことか? まぁ確かに直前まで仲間と絆で笑ってたし無理があるけど
 この落差、演出としてはかなりオイシイと思うんだけどな。
「仲間」のどちらかでもライに寄り添ってくれないのか。それくらいディストピアなのか。

・と思ったらイタクが敵を引き入れた件について言及
 しかし上層議員がそれを掣肘
 うーんなるほど。うまいこと韜晦させるハラか。プレイヤー様としてはモヤモヤが残るがシナリオとしては良い戦略かもしれない。

・塔のトップから今回のことは不問、水源確保を命じられる
・さあ冒険のはじまりだ!

 というわけでチャプター2までが終了した。
 整理しよう。

●問題点
・あまりに簡素に物語が進む
・登場人物のキャラが定まらない
 会話が足りない気がする。テンポ重視なのかな?
 補完させるにしてももう少し欲しい。意味のない会話でも間は稼げる。物語の魂はそういう細部にこそ宿る。

 とくに主人公が問題かな。
無知であり、20年監禁されていた
→なら普通はスれるのでは?
 お婆さんや仲間役のおかげで大丈夫だったのだろうが、ならそこを描いてほしい。
 その割には仲間の性格はよく分からない。本当にこいつらと10年一緒に居てこの性格になったの?
 まぁ被害を出した罪悪感を一言で済ませるくらいには主人公も「染まっている」ということか。

 今のところ常識人()は鳥かごのヒロインだけみたいだから、そいつとの絡みに期待かなー。
 そのヒロインも出番がすぐ終わったからメッキが剥がれてないだけのような……

●良かった点
・素晴らしい音楽
・話がわかりやすい