ウラブタの上

箱の中の神さま

今期アニメ 炎炎ノ消防隊 1話所感

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©2019 大久保篤講談社/特殊消防隊動画広報課 公式サイトより引用
※ネタバレ有

●気になったところ
 主人公への風当たりが弱かった。過去回想では強かったけど、現代でチームの新参者としてイビられる意味での風が弱めだった。
 よくあるパターンは
ヒーローになりたいと言う主人公は甘いと言われ一度突き放される
→その後現場に無断で現れ仲間と協力して敵を撃破し何だかんだで入隊する
 かな。
 1話は主人公の内面にフォーカスしているようなので、暗くなりすぎないようにしたのかもしれない。

 戦闘シーンでは主人公以外の4人の役割がどうも分からなかった。
 炎を消す? 能力をもった女性は良いとして、隊長は敵に組み付かれてむしろ足引っ張ってたし、副隊長は威嚇射撃しかしてないし……。
 シスターは祈っているだけでその祈りの効果の程が不明瞭。弱体化する魔法とか? まさかただのオカルトとかじゃないよね。
 チームを前面に出す割に、各人のホムラビト撃破への寄与度が低い気がした。

 構成は素晴らしい。
 不思議さとサスペンスが同居したインパクトのある開幕シーンからOPに入り、お色気シャワーで画面に釘付けにしてから世界観の説明を済ませ、主人公の背景を描きつつ現場に出動し初陣を円満に終え、自信の無かった主人公にちょっとだけ自信が戻る=成長する。

 主人公の行動理念「ヒーローになりたい」はかなり若いね。
 これから変化していくのか、それとも少年であり続ける記号となるのか。
 公式ではダークファンタジーと記載されているので、黒くなっていくことを期待している。

 さて、ヒーローといえば「救う、救われる」ことで承認欲求を刺激するのが鉄板だ。
 視聴者の承認欲求を満たすアニメの前例は「僕のヒーローアカデミア」の4話だろう。
 自己犠牲により主人公の「誰かを助ける姿勢」を描いた上で失脚し、その後に救済される流れは見事だった。

 この1話ではとりあえず主人公のイニシエーションが描かれたが、ヒーローになるの部分はどこかふわふわしている。
 工場長に泣きながら感謝され、その後民衆から声援を送られるが……その光景がどうにも納得できないのは何故だろうか。

 ①鎮魂があっさり成功したから説
 それも主人公の寝起きの一撃によって。もう少し苦戦すべきだったかもしれない。

主人公トラウマ発露→チームメイトが優しくする→チームで戦う→敵に圧されヤバめになる→主人公がイヤボーンする→チームが勝機を作る→主人公がギリギリで決める

 みたいな。ちなみに実際に行われた戦闘は

主人公トラウマ発露→チームメイトが優しくする→主人公が突然意識を失う→チームメイトが優しくする(2分ぶり2度目)→チームが戦うフリをする→主人公がひとりで全部決める

 ひとり、そうだ、これか。
 チームが助けてくれるけど、それは現状への鼓舞であって、主人公に完全に寄り添った応援ではない。いや初対面で初陣ならそんな応援はまず無理なんだけどさ。物語のヒロインは往々にして容易くソレをやってのけるんだよね。
 今回、主人公の内部で行われたのは、シンジ君的自己肯定である。俺は俺でいいんだ(イヤボーン)!
 それが成功体験に繋がっているのは良いが、トラウマを一人で抑え込んだように見えるのは問題だろう。
 苦しんでいるのがただのファッションになってしまう、というよりは仲間の意味がなくなるのが問題か。

 シスターあたりが主人公の背景を知り、分かったような応援をする→主人公は一度は反発するものの、戦闘中の窮地にシスターが自己犠牲じみた行動をすることでその応援を信頼できるものだと認識し、自分の自信に繋げることでイヤボーンを惹起させる、
 とかどうだろう。これならチームやヒロインとの仮契約も済ませられる。
 
 閑話休題、問題は「なぜ報酬として贈られた声援に納得できないか」である。
 ②見ず知らずの誰かを可哀想に思えなかったから説

 
ヒロアカの場合は困っているのが少女で、その少女がどう困っているのか丁寧に描かれた。
 しかしこのアニメの場合、困っているのはよくわからない化物とその夫(ポっと出)である。
 主人公の背景は丁寧に描かれる一方、救う対象についてがボヤけてしまったのではないか。

 だから、「これからお前も、この喝采を幾度となく受けていくんだ」と言う隊長はちょっとスベってる気がする。
 彼が人生の先達であるなら、もっとすり減ってていい。普通は気づけないもっと別のものを見ているとか。ヒーローという漠然としたものではなく、誰かを救うことの価値を信じる~とかね。
 そのへんは副隊長が担当してくれるかな。でもヤツは第2世代の能力者らしいからな、お兄ちゃんライバル的な使い方になりそう。

 あとは先述の通り、ヒロイン役の味付けが薄めなのが気になった。
 鎮火の能力はシスターが持っていたほうがいいのではないか。さすらば、主人公が炎のコントロールに苦慮する設定にすることで、無理やり一緒に居る口実を作れる。
 けどこれは流石にやりすぎか。テンプレすぎだし、1話で分かりやすく描ける量を超えちゃうわ。

 となると2話以降の話作りが気になるところ。
 家族を失っているから、とりあえずもう一度主人公に失わせるものを与えないといけないよね。したらチームの絆しかないじゃん。信頼を得て、主人公が悪に呑まれかけて、戻ってくる。うん、ドラマだ。

 恋愛要素もこれから増えていってくれるのかどうか、実に気になる(・∀・) 
 ライバルとか黒幕とかも出てくるのかな~楽しみだ。
 1話では隊のみんながいくらなんでも活躍しなすぎたから、徐々にスポットライト当ててってほしい。

 ラートン。