文学青年保存館

2023 7.25 ブログの更新を停止しました

うなぎもち プレイ感想

僕と妻は一縷の望みを抱いて交代で冷蔵庫の扉を何度か開いてみたが、何度開けてみてもその内容は変化しなかった。ビールと玉葱とバターとドレッシングと脱臭剤だ。
            ――「パン屋再襲撃」『象の消滅村上春樹

 「僕」と妻が強烈な空腹感を抱き、パン屋を襲撃する前に繰り広げた著名なワンシーンである。
 この後「僕」が提案する料理がまた腹を抱える面白さなのであるが、それは割愛するとして、

 俺も冷蔵庫を2、3度開けることがあるんですよ(威風堂々)。
 「僕」と同じく何度開けても新たな知見を得ることは無いのが常だったが、今日は違った。
 2度開けたら、1度目には見えなかった食べ物を発見したんですね(認知障害)。

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 \\\うなぎもち///

 なんだ、これは。うな○パイの亜種か? なぜ冷蔵庫の俺のコーナー(みんなもあるでしょ?)に入っている。
 引っ掴むと冷たい。生モノだ。和菓子か、なるほど……対戦よろしくお願いします

 なにはともあれ実食だろう。ハサミで包装を切って噛みついてみた。
 餅だった。
 いや、いやね? 何がおかしいか分からないと思うが、外見は細長いドラ焼きなんだよ。でも、餅なんだよ(?)
 中身は小豆。味はクリームの入ってない生ドラ焼き。食感は下の上。甘さは控えめ。 

 うーん……お茶が欲しくなるな。というわけで祖父の葬式でもらった茶葉を急須に入れながら考える。

 ――どこがウナギなんだ?
 原材料表示の欄を見てもウナギの文字はない。というか欄外に書いてあった。
 ※うなぎは入っておりません
 えぇ……僭称かよ。う○ぎパイでもウナギエキス入ってるのに? まぁ鳩サブレに鳩は入ってないのと同じか……

 お茶を淹れて、部屋に音楽を流した。2.1chサラウンドの貧相なスピーカーから流れるのは、People In The Boxの「さまよう」である。「僕」はワーグナーのクラシックを聴かされたが、俺が聴くのはロキノンである。時代は変わったのだ。うなぎもちもコンセプトがさまよってるしな

 そんなこんなで、もきゅもきゅ食べながらうなぎもちを完食した。
 新茶にまぁまぁ合うお茶請けだった。コラボ点67点ゲット!
(参考……レディグレイの紅茶+チョコレートのコラボ点が100点)

 総評価は……いいや、そういうのは(思考放棄)。

 身長より高い位置にある窓から見えるのは、炯々と輝く炎天の太陽。
 さっきエアコンの利いてない部屋に出たときはあまりの熱気に困惑したよね。これホントに家の中かよって。
 こういう日は引きこもるに限る。
 よく分からない和菓子を食べて酸っぱくなった口を持て余しながら、ニンテンドースイッチの電源を入れる。
 コントローラを握りながら、人殺しに慣れていく学徒たちをこわごわ眺める。
 そういうところに、幸せを感じていけ。