文学青年保存館

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彼方のアストラ 1話 ストーリー解析

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                        ©2019 篠原健太集英社・彼方のアストラ製作委員会
ドライバー記号の意味はこちらの記事

■メインドライバー
①宇宙キャンプで起きた謎の現象はなにか 
②カナタがひったくりからアリエスを助けた 
③2人は仲を深めていくが、謎の現象からは助けられなかった 

■サブドライバー
①近未来の世界で宇宙旅行が簡単にできる 
②フニシアが孤独を深めている 
③カナタがキャプテンになれるかどうか 

■ドライバー分析
 アリエス、宇宙で死にかける 
  誰か(カナタ?)に助けられる
アバン:サスペンス

PMC学生だけで5日間の宇宙旅行をする説明(おばさんのやたら説明的な説明)
  アリエスがひったくりに遭う
C+カナタが解決する 親愛リマインダー ギャグで間を埋めている
フニシアと姉の不和 劣等リマインダー
PM 惑星キャンプの詳細な説明が入る 舞台装置っぽい奇妙さが見え隠れ
PC 主要人物が自己紹介したり軽い交流をする
D-フニシアが再び姉と不和 悲しそうな顔をする
 カナタと師匠の回想 カナタがアリエスに自分の持つ夢の話をする 
それをアリエスが支持する 親愛リマインダー
  惑星に到着し、学生だけになる
 直後、全員が謎の球体に吸収されてしまう
  カナタはアリエスを助けることができなかった
メイン:アンバランス

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 ちょっと緩急つけすぎやないか節子? 
 サスペンス色を相殺するためにギャグを散りばめている? あるいは引き立てるためにギャグを使っている?
 どちらにせよバランスが悪い印象を抱く。
 ギャグは内容と視聴者の心の温度が合っている場合は面白く感じるが、そうでない場合は寒く感じることが多い(ていうかシリアスすぎて相殺できてない)。まだキャラクターに愛着を持つ段階じゃないし、ギャグ要素は控えめでも良かったかもしれない。
  
 キャラが多い割に、各々どんな感じの性格なのか何となく分かるのは良かった。ここはコメディタッチをうまく利用した。
 尺との戦いだったね、まだ1話でそれも前半扱いにしたところを見るに脚本家は苦労してそう。
 
 この1話だけを見る限り、制作サイドが描きたいのは「成長群像劇」……だと思う。
 先行類似作品が『宇宙のステルヴィア』だとすれば、制作陣は強気だ。ちなみに俺はステルヴィア見たことないから比べることができない。ゲオ行くか? アマプラで観れる?
 『リヴァイアス』だとすれば面白いことになるし、『シドニア』や『ぼくらは虚空に夜を視る』だとすればとんでもないことになるけど、まぁそうはならんやろ。

 話を本筋に戻す。この1話は面白かったかどうか。その答えはNOだ。それは何故だろうか。
 ひとつはコメディ部分が俺に合わなかったことが挙げられる。だがそれだけではあるまい。

 話の展開はよくある流れで、ストーリーの強度も見た感じ強い……と思う。
 カナタのスタンスはアバンと引ったくりで「アリエスを2度救出する」ことで描かれている。また回想による補強もあり、それがヒロインに支持されるというエピソードにまでなっている。悪い要素なくね?
 ただ、個人的には回想シーンは嫌いで、アリエスにも特に魅力を感じないので良い要素でもない。

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 というか、「主人公」はカナタなのか、アリエスなのか、どっちだ。どっちもか。
 だとすればアリエス部分が描写されなすぎ説はある。1話では弱点も描かれず、体の良い狂言回しでしかなかった。
 つまりは、たくさん居るキャラの中で、今回はカナタ・アリエス・フニシアの3人にスポットライトを当てたが、さらりと触れる程度で掘り下げることができず、そこに魅力を感じることができなかった――ことが、面白くなかった原因ではないか。

 ていうか前半だしな。ストーリーが何も進んでない。そもそも後半を観ないとダメなやつだこれ。
 でも、できれば1話でガツンと心を掴みにきてほしかった。