スマホ de ドック 在宅で血液検査をした話

　ある日、家のポストを覗くと封筒が入っている。
　スマホ de ドック？

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おウチでできる血液検査
一般的な健康診断と同等の検査が、自宅にいたたま受けられる
ほんのわずかな血液で検査できます
通常５５００円のところ、自治体が５０００円を負担します

　ふむ、健康診断か。
　ふだん人間ドックなんて受けないし、これはいい機会かもしれない。

　ということで申し込み、採血セットが届いた。
　よし、手を洗ってよく揉んで、ランセット（針）を刺すぞ～(*^-^*)

　ブチィン！（針が皮膚を突き破る音）
　
　クソ痛え

　いやまぁ、そうよね。出血させるんだもん。痛いよ。
　器具にはスプリングがついていて、ある程度押し込むと太い針が一気に飛び出る。

　問題はこの器具を使うと痛いですよという一文がどこにも書いてないことである。
　まぁ書いてあったら怖がるから隠すしかないんだろうな……。

　というワケで出血した部分を押し込み、血をひねり出していく。
　かなりグロい。血を見るのもイヤな俺は正直言ってキツイ。

　次に、この血を先端に綿がついた器具で吸い取る。

　全然吸い取りやがらねえ

　説明書には、３ミリほどのワタ全体に血を染み込ませると書いてあったが、
　半分より上まで染み込んでくれない。
　ジンジンする痛みで汗が出て、血が薄まっているのかもしれない。
　どうにか吸い上げようとワタを指に押し付けるが、出血はすぐに止まってしまった。

　え……？　また穴開けるの……？　人体に……？

　もうかなり億劫だったので、足の指を穿刺することにした。
　中指の内側なら歩くときも痛くないやろｗ　ということで、

　バツン！（針が繊細な俺の足の指を刺し穿つ音）
　
　クソ痛え

　やってから気づいたけど足って神経が集中してるから痛みに敏感なんだった。
　そして出血量がぜんぜん無い。ワタを押し当てても吸わない。

　さすがに３回針を刺す気力はなかったので、諦めて半分の量で送付することにした。
　これで検査できませんでしたってなったらもう知らん。
　違約金でも何でも払うわ。

　...というワケで、３時間経ってもまだ手と足が痛いです。
　普通の病院で５０００円払って細い針で血液検査受けたほうがいいよこれ。
　俺たちが欲してるのは腫瘍マーカーね。でも癌が進行してないとダメなんだっけ。

　ただ、スマホdeドックは結果をもとにアドバイザーに健康相談ができる。
　良い付加価値だけど、これも普通に医者に訊けばよくない？

　まぁ俺が一番おかしいと思ったのは、キットの中に絆創膏が１枚しか入ってなかったこと。
　ランセット（針）は２つあるのに。

　俺の身体に２箇所、穴が空いているのに。