Δ投げられし 賽の 行方
今回のプレイで一番悩んだのは、朔の処遇について。
朔はゲーム中の選択次第で、永久に離脱し帰ってこなくなる。
二重人格だか何だか知らないが、プレイヤーである俺もハセヲも、
朔の消失を望むハズがない。
ないのだが――見なければいけない気がした。
カタルシスは、トラジティに宿る。
朔の大切さを確認するためには、身銭を切る必要がある。
おそらく大方のプレイヤーが朔の救出に成功するだろう。
中学生の俺も、朔を救出したに違いない。
中学生? ふと思い立ち、プレステ2の実機を出した。
ホコリを払い、コードをつなぎ、電源を入れた。
セーブデータが残っているなら、確認してみればいい。そう思ったのだが……
G.U.のvol.3のディスクが無かった。
戸棚に無いということは、おそらく友達に貸したまま、返してもらってないのだろう。
ジョー、お前か? もうずっと会ってないけど、元気してるか?
退路はないようだった。決断のときだ。
何のことはない、見たければもう一度セーブポイントからゲームを進めればいい。
それに、朔を失ったところで、イベントが一部なくなるだけだ。
このゲームの内容自体、どうせいつかは、再び忘れてしまうに決まってる。
痛いなあ。
まだ痛がれたんだなあ。
大まかなストーリーは覚えていたけど、今回のプレイの内容はすごく新鮮だった。
このキャラが実は~、あのキャラが後に~、まるで初見のように楽しめている。
まぁちょっと話の展開に水が多くて、ダンジョンも戦闘も面倒だけど、それも味だ。
.hackの世界が染みる。
腹が決まった。
朔は、これを読んでる君に任せた。
俺の代わりに救ってやってくれ。
【追記】
まじで居なくなってそれで終わりだった。