文学青年保存館

2023 7.25 ブログの更新を停止しました

俺はピカチュウ、ノーマルタイプ

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                                    ©俺

 電力の逼迫警報が発令された。
 終ぞ聞いたことのない警報で驚いたが、先日の地震の影響で火力発電所が止まり、関東以北の電力が不足する虞があるらしい。

 また停電するのかー……と落胆する一方で、ひとつまみの非日常を感じてワクワクする俺も居る。

 数日前に急に停電したとき、久しぶりに深夜徘徊をした。
 街灯や信号はすべて消え、近くのマンションの明かりも消えていた。

 だが街が完全に闇に沈んだ、というと語弊がある。
 工業地帯なので、周辺の会社や工場の明かりはチラホラ点いたままだった。

 それでも日常にヒビが入った感覚は伝わってくる。
 これが真冬なら凄惨な災害の臭いもしたかもしれないが、今日が春先で、月も出ているなら話は別だ。

 月明かりで、数十メートル先もぼんやりと見通せる。
 人工の光がなくても、夜がこんなに明るいとは思わなかった。

 高校からの帰り道、街灯のない夜道を通ったときは一寸先も見えない闇だったことは覚えている。月が光源としてこれほど優れているとは。

 思えば、11年前にもこんなことがあった。
 計画停電をすることになり、街から光が消えたとき、よし街を探索しようとなって、
◯学校に◯◯するなどしていた。
 当時の友達に聞いても幼馴染と同じようなことをしていたらしいので、
青春とは有事に浮かび上がるものなのだろう。

 惜しむらくは、目の前に神人も居なければ、隣にハルヒも居ないということ。

 一方、今日停電することになった場合、話が違ってくる。
 真冬クラスの寒さの中、電気が使えないのはかなりヤバい。

 ということで夕方になる前に入浴を済ませ、プッシュ式のポットにお湯を確保した。
 やったことはそれだけ。他に何もできん。俺はピカチュウではない。

 ツイ民がヤシマ作戦だと盛り上がりを見せる中、俺はタブレットで布団ちゃんがモーゴットにやられ続けるのを眺めている。
 そして、電力消費がピークとなる20時を過ぎ――停電はしなかった。

 どうやら国を挙げた節電が功を奏したらしい。
 うーん、ノリ損ねた。
 けっきょく停電するなら、節電してQoLを下げるのはディスアド、囚人のジレンマだ、などと考えていたのが少し恥ずかしくなった。

 俺も停電を虞れてPCの電源を切っていたから、ちょっと節電してたことにならないかな?