文学青年保存館

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ゼノブレイド2とは何だったのか

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 ゼノブレ2ってどんなゲームなんですか?
 ええと、それはですね……
(以下、ネタバレ全開)

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 痴女のゲームです。
 というのは冗談で、Switchで発売されたCERO:Cの至って普通のRPG
 発売前から各所で期待されていたが、その期待に十全に応えた、かなり完成度の高い作品だったと言える。
 昨今、王道のRPGが開発すらされなくなる中で、よくこれだけのものを出してくれた(T∀T

■よかったところ
 ・王道バトルファンジーのシナリオ
 平凡な少年がボーイミーツガールをして、危機に巻き込まれ、仲間と協力しながら強大な敵に立ち向かっていく――という王道の展開をするのだが、そのシナリオが綺麗にまとまっている。
 破綻してないだけですごいことなのよ。世の中には途中でキャラが蒸発するゲーム(グランディアⅢ、お前だ)があるからね、仕方ないね。
  最後にコントローラを置く時、このゲームをプレイできて良かったと素直に思えること、これ即ち人生の妙味です。
 長くなるので別記事にてストーリーの考察を行った。

 ・美麗と言って差し支えないスペクタクル

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 ゼノブレ初代も感動したものだが、今作もマップの作り込みが素晴らしかった。没入感を得るためにはある程度の説得力が欲しいところだけど、この景観ならば文句のつけようも無い。さらには時間帯や天候によってこれが刻々と千変万化するときた。
 主人公たちの冒険に、プレイヤーは釘付けになることだろう。

 ・魅力的なキャラクターたち
 JRPGチック――昨今のアニメやライトノベルにあるような、個性豊かなキャラクターをしっかり描くことができている。随所に挟まれるムービーやスキット、豊富なサブクエストにより、キャラクターをきちんと掘り下げることができているのは好評価である。

 はーいそれじゃあディスりのコーナー始まるよー
■ふわふわしてたところ
 ・戦闘に爽快感がない
 モノリスソフトは毎回斬新なバトルシステムを採用する。前作に続いて今回もよく練られていると思うのだが……如何せん、ダレる。1回の戦闘がやけに長くなってしまうのだ。
 オートアタックは自動で行われるため、プレイヤーが攻撃をしている! と実感しにくいのもマイナスだと思う。通常技も必殺技も、QTEもある。なのにどこか作業的に思えてしまうのは敵が硬すぎるからかなあ。
 デフォルトの難易度も高く、人によっては白熱のバトルを楽しめる一方、ライトユーザーは戦闘がダルくて離れていくかもしれない(イージーでもムズいンだわ)。

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 ↑画面に表示される大量の情報。すべてを把握しコントロールし強敵に勝利できたとき、強烈な快体験となる。

 ・台詞の早送り機能がない
 これね、色んなゲームがそうだけど、なんとかしてほしい。ムービーがいちいち長いンだわ。たといムービーチックな演出でも、Aボタンを押せば台詞送りをできるようにしてはくれないか。

 ゲームや小説の利点は自分で鑑賞するスピードをいじれるとこ。描写を映像で賄うのは便利なんだろうけど……ムービーが多くなってしまうと、人によってはストレスになる。

 ・シナリオとキャラ
 さっきは褒めちぎっておいて何だけど、首をかしげたくなる箇所がいくつかある。
 キャクター各人はそれぞれ感動するようなこと言ってるけど、整合性の部分はうまくボカしてフィニッシュした印象があるのよね。とくに終盤、対話が噛み合ってないというか描写が足りないというか。

 ただ、古今東西完璧に終わった物語などそうないのでそこはあまり問題じゃない。
 物語的には引っ張る力が必要で、それには魅力的な謎が必要で、だからその謎をつくるためにある程度、脚本は無理をしないといけない。
 あえて語らない部分を作ったり、実はひとりのヒューマンエラーなのを巧みに韜晦したり。

 そういうのを踏まえた上で一番笑えたのはイーラとかいう使い捨ての駒ね。

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 終盤になって作劇上不要になり、4人が一気に20分かそこらで全員死亡したのは草しか生えなかった。処理が雑すぎィ! もちろん消えたことで説得力だの原動力だのに変わってるからそれはいいんだけども……尺の都合を感じたね。

 あとは大きなおともだち向けの配慮だなあ。
 狙いすぎなのが非常に気になる。具体的に言うとセクシャルな問題。もっと具体的に言うとハイレグ多すぎなのは笑うしかなかった(記事冒頭参照)。

 思春期の少年を破壊するためだけに作られたゲームが、そうこのゼノブレイドとなっております。あ、ちゃんと巨乳は揺れますよ。なんと貧乳も相応の揺れ方をします。こだわりがすごいんだ。

 もう少し突っ込んだ話をするなら、純粋なドライバーが全員男性(男装含む)で、ブレイドはほぼ女性ってのは作為的だよね。
 ウチの大学教授が言うところの、「見る、見られるの役割」があるってやつかな?
 ヒロインは報酬として描かれる一方、報酬を受け取る主人公を逆に規定してもいるとかなんとか。
 あるいは、単にブレイド絡みの話を書く上で一番収まりがいい形にしたのかも。人間でもありブレイドでもあるニアが居れば、勝手に物語に深みをもたらしてくれるしね。
 長くなりそうなのでこの続きは別記事にて。

 というわけで色々書いたけど、ま~~~~楽しかったねゼノブレ2。
 コアなゲーマー向けの配慮が散りばめられていた。アプデで難易度を調整できるようにしたのもGOODだし、ラスボス戦でのDPSチェックも見事にしてやられた。メツ、お前は一度俺に勝っている……。


 それで最後に俺が言いたいのは何かというと、ニアの横恋慕、アレな、
 なんでもっと大量にちゃんと描いてくれなかったの!?
 ってこと。俺たちは嫉妬でぐちゃぐちゃになる女の子が見たいの! 分かる?(分かれ)
 キズナリングの忍耐力でそこはかとなく葛藤してるのだけじゃ足りねンだわ。
※ホムヒカと一緒に10戦ほど戦うことで解放されるアビリティ。それが「忍耐」

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 あ、イーラ編はやってないです。『図書館の魔女』の続編を読む気がないのと同じ理由で。