文学青年保存館

2023 7.25 ブログの更新を停止しました

そういえばポケモンのMVで感動していたあるトレーナーの述懐

 

 バンプの世界は夜で、たまに雨が降る。そんなイメージ。
 その雨にどう対処するか、暗闇に如何にして光源をねじ込むかが焦点になる。

 今回もよく聞くと太陽が迫害されているし、暗闇を怖がっているし、冷たい雨もちゃんと降っているのでいつものバンプである。

 ただ、アカシアは信頼できる相棒がしっかり描かれている。
 ここがマジでびっくりポイント。
 今までの処世術はとにかく孤独で、自分の力だけで無理矢理に活路を拓くしかないことが多かった。
 
 オンゴーイングな成長譚を展開し、そこから力を得る――というのは、

 続きを進む恐怖の途中 続きがくれる勇気にも出会う
                  ――「HAPPY」BUMP OF CHICKEN

 と格言みたいに表現したことはあれど、今回みたいに冒険しつつ讃歌しつつ描いているのはかなり新鮮に映った。

 一方で今回の曲には問題点もある。

①ひとつは曲のテンポが早すぎること。
 →BUMPらしからぬ早口というか、MVに合わせるため無理に曲を矯めたみたいで窮屈さを感じる。

②歌詞が分かりやすいこと。
 →これは通常ならメリットだが、ことBUMPにおいては迂遠さが世界観を広げている部分がある。
 「君がいることを君に伝えたい」など端々にいつものBUMP節は利いているものの、
全体的に噛み砕かれすぎて、心のフィルターに引っかかり難くなっている気がする。

③「もう死ぬまでいたい場所にいる」という歌詞
→BUMPはたまに死ぬという強い言葉を使うが、あまり好きではない。
 完全に当てつけだが、「死ぬまで痛い場所」などと読めかねないのもマイナスだ。

 これらを踏まえた上でも名曲であるという思いに疑いはないが、
個人的にあまり手放しにマンセーできる曲ではないと感じた。

 2番の「歩幅と足跡を比べる」部分もちょっと引っかかるんよなー。
 これ、字面的にはポケモンとトレーナーを比べてるわけでしょ?

 ただ意味的には「一足飛びで進むA」と、「色んな経験をするB」を比較している。
 それは自分とライバルの図かもしれないし、自分と友達のプレイの違いかもしれない。

 ……あれ? 特に違和感ないな。何かおかしいと思ったんだけど……。
 一方を取ったらもう一方が取れないというか、相棒との話なのにいきなりライバルが出てくるのが変というか……。

 ま、深く考えずポケモンの歩幅小さいと思っとけばいいか。